小規模多機能の仕事内容とは?知らなきゃ損する介護の仕事

介護士の仕事内容
  • 小規模多機能の仕事内容は?
  • 小規模多機能って実際何をするの?
  • 自分にもできるかな?

といった疑問にお答えします。

私が実際小規模多機能で働いていた時のタイムスケジュールなどを使ってわかりやすく説明していきます。

この記事でわかること

  • 小規模多機能とはどんな施設か
  • 小規模多機能の仕事内容
  • 正・パ・派 別の仕事内容
  • 小規模多機能のタイムスケジュール
  • その他役職の仕事内容
  • 小規模多機能に向いている人、向いていない人
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小規模多機能とはどんな施設?

正式名称は小規模多機能型居宅介護(以下、小規模多機能)といい、2012年頃創設された種類の施設で地域密着型サービスの一つです。

登録した利用者が訪問介護、デイサービス、ショートステイすべてを受けることのできる施設で、最大29人までの利用者が登録することができ、利用者は要支援1、2の方と要介護1~5の方が対象となるため、利用できる方の幅が広いことが特徴です。

登録した29人のうち、1日に利用できる利用者はデイサービス18人まで、ショートステイは9人までとなっており、利用者にあった介護サービスを提供できるシステムです。日中はデイサービスを利用し、状況に合わせてそのままショートステイを利用することもできます。

小規模多機能の仕事内容とは

小規模多機能の仕事内容としては、訪問介護、デイサービス、ショートステイすべての仕事を網羅していて複雑なため一つずつ説明します。

小規模多機能においての訪問介護

訪問介護の仕事は利用者の自宅に訪問し、利用者の希望に合わせて身体介護、生活援助をおこなうことです。

身体介護とは、食事介助や排泄介助などの身体に直接触れる介護のことを言い、生活援助は一般的な家事をおこなうことを言います。

利用者の希望に合わせ短時間の訪問をおこないます。

参考:訪問介護の仕事内容とは?知らなきゃ損する介護の仕事

小規模多機能においてのデイサービス

デイサービスの仕事はヘルパーが社用車で行きと帰りの送迎を行ない、日中はトイレ誘導、オムツ交換といった排泄介助や食事介助、入浴介助、レクリエーションなどをおこなうことです。

基本的には通常のデイサービスと変わりませんが、1日にデイサービスを利用できる人数は18人までとなっているため比較的のんびりしています。

その中で入浴介助や、レクリエーションをおこなうことが主な仕事内容となっています。

参考:デイサービスの仕事内容とは?知らなきゃ損する介護の仕事

小規模多機能においてのショートステイ

ショートステイは利用者が短期間(連続して最長30日)宿泊できる施設で小規模多機能に登録している方は利用することができます。日中はデイサービスと同じように過ごし、そのまま宿泊するという流れになります。

仕事内容としては食事の提供や、必要に応じて排泄介助などをおこないます。それから泊まりを希望の方は泊まり用の荷物を持って来ますので、持ってきたのになくなったなんてことがないように注意が必要です。

参考:ショートステイの仕事内容とは?知らなきゃ損する介護の仕事

小規模多機能は在宅で生活するための施設なので、利用者一人ひとりのニーズにこたえていかないといけないため働くにあたり、臨機応変に対応できる柔軟さが必要になってきます。

正社員の仕事内容

小規模多機能の正社員は不規則な勤務に加え、すべての業務をこなす必要があります。不規則な勤務としては早番、日勤、遅番、夜勤があり、日中の施設内での仕事をはじめ、訪問に出たり、夜勤をやったりなどすべての業務をおこないます。

その他にも、正社員はパートや派遣などと違い、責任が多くあるので、日頃から利用者の状態の変化などに十分に気を配る必要があります。

小規模多機能は泊りの利用者が最大でも9人となっており、満員でないときもあります。例えば、お盆やお彼岸、年末年始などは利用者が少ない傾向にあり、宿泊利用者が1、2人ということもあるので比較的のんびりできます。

小規模多機能に付随してグループホームなどが併設している施設もあるのでその場合は小規模多機能とグループホーム両方の夜勤をするということもあります。

参照:グループホームの仕事内容とは?知らなきゃ損する介護の仕事

パートの仕事内容

小規模多機能のパートは基本的には正社員と同じですが、正社員ほど責任は少なく、日中だけの仕事になることがほとんどです。パートでも夜勤をすることができますが、本人の希望と施設の要望によって異なります。

また、パートは訪問に行くことが多くなり、その際は利用者のお宅まで基本的に自動車で伺うことになるので頭に入れておきましょう。

パートとして働く場合は、基本的にはデイサービスと同じような仕事内容になりますが、訪問もありますので、訪問介護とデイサービスの両方の仕事をするといったイメージです。

参考:訪問介護の仕事内容とは?知らなきゃ損する介護の仕事

参考:デイサービスの仕事内容とは?知らなきゃ損する介護の仕事

派遣社員の仕事内容

小規模多機能の派遣は正社員とパートの間といえるでしょう。派遣社員は日中の業務に加え、夜勤に入ることもあります。その場合は正社員に近い働き方になるでしょう。また派遣社員には夜勤専従といった働き方もあり、名前の通り夜勤だけの働き方です。その場合、日給として23,000円~28,000円の収入になります。

参考:小規模多機能の給料を徹底解説!人には聞けないお金の話

派遣の働き方としては通常の派遣のほかに紹介予定派遣という働き方があり、数か月派遣社員として働き、その後双方の同意のもと施設の職員になるといった働き方です。しかしこの場合の給料は施設の給料に依存するため派遣の時より給料が安くなってしまうことがあるので注意が必要です。

小規模多機能のタイムスケジュール

ここで小規模多機能の1日のタイムスケジュールを確認してみましょう。

小規模多機能の早番 正・パ・派

7:00 起床介助、朝食準備

出勤したらまず、起きていない利用者の更衣や洗顔などの起床介助をおこない、その後朝食の盛りつけ、配膳をおこなう。

7:30 朝食介助、口腔ケア、片付け

食事介助が必要な方の介助をおこないます。その後歯磨きや入れ歯の洗浄などの口腔ケアや食後の片付け

8:30 申し送り

夜勤者から前日の状況や夜間の状況などの報告を受ける。

9:00 排泄介助、入浴準備

利用者のトイレ誘導やおむつ交換などの排泄介助をおこなった後、湯船にお湯を入れるなど入浴準備をおこなう。

10:00入浴介助(浴室)

1日で利用者を十数名入れることになります。通いの利用者なので手の届かないところを補助する程度で済む場合もあります。

11:30 休憩

12:30 口腔ケア、片付け 

食事がすんだ利用者から歯磨きの補助や入れ歯の洗浄などの口腔ケアをし、その後片付けをおこなう。

13:00 記録記入、見守り

ホールに残っている利用者の見守りをしつつ、介護記録の記入をする。

14:00 レクリエーション

利用者が楽しめるようなレクリエーションを考えおこなう。中にはおやつ作りをするところもあります。

15:00 おやつ介助、記録記入

介助が必要な方のおやつ介助をし、その後残った介護記録を記入。

16:00 申し送り、勤務終了

小規模多機能の日勤 正・パ・派

8:30 申し送り

夜勤者から前日の状況や夜間の状況などの報告を受けます。

9:00 送迎、洗濯、掃除

日勤者は数名いるので利用者の送迎に行く人、洗濯や掃除をする人に分かれます。

10:00 入浴介助(脱衣室)

浴室の介助は早番が行うので日勤者は誘導や更衣などをおこなう。

11:30 嚥下体操、昼食配膳

利用者が、安全に呑み込みができるように舌を動かしたりする体操をし、その後配膳する。

12:00 昼食介助、口腔ケア

介助が必要な利用者の食事介助をおこないます。終わったら、歯磨きの手伝いや入れ歯の洗浄などの口腔ケアをおこなう。

13:00 休憩

14:00 レクリエーション

利用者が楽しめるようなレクリエーションを考えおこなう。中にはおやつ作りをするところもあります。

15:00 おやつ介助

介助が必要な方のおやつ介助をしつつ、ホール全体の見守り。

16:00 送迎、訪問介護

日帰りの利用者の送迎や、訪問が入っている場合は訪問へ。

17:00 記録記入

ホールの見守りをしつつ日中の介護記録を記入。

17:30勤務終了

小規模多機能の遅番 正・パ・派

10:00 記録確認

朝の申し送りに参加できていないため、記録の確認をし、詳しくは早番や日勤に確認します。

10:30 ホール見守り、バイタル測定、お茶出し

ホールの見守りをしつつ、入浴前の利用者のバイタルを測定したり、入浴後の利用者に水分補給をしてもらう。

12:00 昼食介助、口腔ケア、片付け

介助が必要な利用者の食事介助をおこない、終わったら歯磨きの手伝いや入れ歯の洗浄などの口腔ケアをおこなう。

13:00 休憩

14:00 訪問介護

この時間に限ったことではありませんが、利用者のニーズに合わせて訪問をおこなう。

15:00 おやつ介助、送迎準備

介助が必要な方のおやつ介助をし、忘れ物がないかなど確認しながら日帰りの利用者の送迎の準備。

16:00 申し送り、記録記入

早番の退勤に合わせて夜勤者へ申し送りをし、そのあと介護記録の記入。

17:30 嚥下体操、配膳

利用者が、安全に呑み込みができるように舌を動かしたりする体操をし、その後配膳。

18:00 夕食介助、口腔ケア、片付け

介助が必要な利用者の食事介助をおこない、終わったら歯磨きの手伝いや入れ歯の洗浄などの口腔ケアをおこなう。

19:00 勤務終了

小規模多機能の夜勤 正・派

16:00 申し送り

日勤者から前日夜間の状況や日中の状況などの報告を受けます。

16:30 記録確認、服薬セット

申し送りの情報を補うために介護記録を確認し、泊りの利用者の服薬セット。

17:00 夕食準備

調理スタッフが下ごしらえまでしかしていない場合は引き継ぎ調理をおこなう。

18:00 夕食介助、口腔ケア、片付け

介助が必要な利用者の食事介助をおこない、終わったら歯磨きの手伝いや入れ歯の洗浄などの口腔ケアをおこなう。

19:00 排泄介助、就寝介助

就寝前にトイレ誘導やおむつ交換などの排泄介助後、パジャマに更衣などの就寝介助。

20:00 記録記入、見守り

ホールに残っている利用者がいれば見守りをしつつ介護記録の記入

22:00 巡回、排泄介助

各部屋の見回り、必要な方の排泄介助

24:00 巡回、記録記入

2:00 巡回、排泄介助

各部屋の見回り、必要な方の排泄介助

4:00 巡回、記録記入

6:00 朝食準備、起床介助

調理スタッフがいない場合人数分の朝食の調理をし、顔拭きや髭剃り、更衣などの起床介助

7:00 朝食介助、口腔ケア、片付け

介助が必要な利用者の食事介助をおこない、終わったら歯磨きの手伝いや入れ歯の洗浄などの口腔ケアをおこなう。

8:00 記録記入

介護記録の記入

8:30 申し送り

日勤者へ前日の状況や夜間の状況などの報告。

9:00 勤務終了

上記のスケジュールはあくまでの一例です。基本的に時間で決まっておりますが、その日の状況や、利用者の状況などによっても変わることがありますので注意が必要です。

その他役職の仕事内容

小規模多機能の人員基準として

  • 代表者1名
  • 管理者1名
  • 介護支援専門員1名
  • 看護師1名

が必要とされています。それぞれの仕事内容を見てみましょう。

代表者

代表者は認知症対応型サービス事業開設者研修を修了している必要があり、その仕事内容としては施設全体の統括や施設の運営などをおこないます。

施設全体で必ず1人配置することが義務付けられています。

管理者

管理者は一つのユニットで必ず1人配置することが義務付けられており、仕事内容は主にユニットの管理業務です。一つの施設に複数のユニット(小規模多機能2つやグループホームの併設)がある場合兼務が可能です。

認知症対応型サービス事業管理者研修を修了している必要があります。

介護支援専門員

介護戦専門員はケアマネージャーとも呼ばれており、主な仕事内容は利用者一人ひとりのケアプランの作成です。

必要な資格としては、介護支援専門員の資格に加え小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修を修了している必要があります。

看護師

小規模多機能に必ず一人配置しなければなりません。介護従業者として働くため仕事内容は介護職員と変わりませんが、バイタルのチェックや薬の確認などの医療関係全般を任されることになります。

小規模多機能に向いている人、向いていない人

小規模多機能に向いている人

小規模多機能は不規則な勤務に加え不規則な仕事内容となっているため、じっとしているのが苦手な方や少ない利用者を手厚く支援したいという方に向いています。

小規模多機能は訪問介護とデイサービスの両方を兼ね備えているので、デイサービスで働きたいけどずっと施設内に拘束されているのが嫌だ思っている方や、訪問介護をやりたいけどずっと外に出てるのも嫌だと思っている方には働きやすい施設といえます。

また、グループホームと同じように、夜勤もあり利用者は最大9人なので夜勤だけやりたいという夜勤専従の方にはとてもおすすめです。

参照:グループホームの仕事内容とは?知らなきゃ損する介護の仕事

小規模多機能に向いていない人

小規模多機能は不規則な勤務なので固定の時間で働きたいという人には向いていないかもしれません。また利用者の送迎もあり車の運転が必要になってきますので運転に自信のない方にも向いていないかもしれません。

CHECK!

小規模多機能に向いている人

  • 一つの場所でじっとしているのが苦手な人
  • デイサービスの訪問介護の中間の仕事を探している人
  • 夜勤専従派遣を希望している人

小規模多機能に向いていない人

  • 固定の時間で働きたいという人
  • 車の運転に自信がない人

おわりに

小規模多機能型の一番の特徴としては訪問介護、デイサービス、ショートステイのすべてが備わっているという点で、地域密着型のサービスに分類され、利用者は基本的に在宅で生活をしている方のため、比較的介護度も低く、働くうえでは楽といった印象です。

その他にも、1日に利用できる利用者の人数が決まっているため、利用者に手厚い介護ができるといった点も特徴といえます。

施設形態自体が比較的新しく、あまり認知されていませんがとても働き甲斐のある施設です。お仕事を探されている方はぜひ小規模多機能も視野に入れてみてください。

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